深夜酒類の届出に必要な図面とは?種類・書き方を解説|みらい行政書士事務所

深夜酒類提供飲食店の届出(深酒)に必要な図面とは?種類・作成ポイント・注意点を解説

「深夜酒類提供飲食店の届出を自分で進めたいけれど、図面の作り方がわからない」「平面図や求積図はどこまで細かく描けばいいのか知りたい」——そんなお悩みをお持ちではありませんか。

深夜酒類提供飲食店営業(午前0時〜午前6時に酒類をメインに提供する飲食店)の届出では、営業所の図面が最も手間のかかる書類です。図面に不備があると届出が受理されず、開業スケジュールが大幅に遅れるおそれがあります。本記事では、届出に必要な図面の種類と作成のポイントなどを行政書士が解説します。

深夜酒類提供飲食店営業の届出(深酒)は、風営法に基づく手続きです。バーや居酒屋、ダイニングバーなど、午前0時以降も酒類をメインに提供するお店は、管轄の警察署(生活安全課)に営業開始届出書と添付書類一式を提出する必要があります。

この添付書類のなかでも、とりわけ作成の難易度が高いのが「図面」です。図面は単なる間取り図ではなく、風営法の構造基準を満たしていることを証明する重要な書類です。届出に必要な図面の種類は、おおむね以下のとおりです。管轄の警察署によって追加書類を求められる場合がありますので、届出を検討する際は事前の確認をお勧めします。

図面の種類概要
営業所周辺の略図営業所の所在地を地図上で示す
入居フロア平面図ビル全体における営業所の位置を示す
営業所平面図店舗を真上から見たレイアウト図
営業所求積図営業所全体の面積を算出する図面
客室等求積図客室・調理場・その他の面積を算出する図面
照明・音響設備図照明器具と音響設備の配置を示す図面

届出書類は図面だけではありません。以下に愛知県(名古屋市など)で求められる主な必要書類を整理します。

必要書類個人届出法人届出
深夜における酒類提供飲食店営業営業開始届出書
営業の方法を記載した書面
営業所の平面図(図面一式)
住民票の写し(本籍記載・マイナンバー記載なし)届出者本人分役員全員分
定款の写し
登記事項証明書
飲食店営業許可証の写し
賃貸借契約書の写し(賃貸の場合)
使用承諾書(賃貸の場合)
メニュー表

愛知県では届出に手数料はかかりません。ただし、営業を開始しようとする日の10日前までに届出を完了させる必要があります。

ここからは、各図面の作成ポイントを順番にご説明します。図面はCADソフトなどで作成するのが一般的ですが、手書きでも受理されます。ただし、修正が発生した場合に手書きは書き直しとなるため、CADソフトの使用をお勧めします。図面作成の大まかな流れは次のとおりです。

  1. 営業所の現地測量を行う:メジャーやレーザー測定器を使い、営業所内のすべての壁・柱・設備の寸法を正確に計測します。
  2. 営業所平面図を作成する:測量データをもとに、店舗を真上から見たレイアウト図を描きます。営業所の範囲を青色、客室を赤色、調理場を緑色で色分けするのが慣例です。
  3. 求積図(営業所・客室等)を作成する:平面図をベースに、面積を計算するための図面を作ります。区画ごとに三角形・四角形・台形に分割し、計算式と合計面積を記載します。
  4. 照明・音響設備図を作成する:照明器具やスピーカーなどの位置を記載し、一覧表に器具の種類・ワット数・数量をまとめます。
  5. 周辺略図・フロア平面図を作成する:営業所の所在地を地図上に示す周辺略図と、ビル内での営業所の位置を示すフロア平面図を作成します。

平面図は図面一式の「基盤」となる最も重要な図面です。作成にあたって押さえるべきポイントは次のとおりです。

まず、すべての図面で方角を統一します。北を上にするのが一般的ですが、統一さえしていれば向きは問いません。寸法はメートル単位で記載し、小数点以下第2位まで表記します。

平面図には、壁・柱・出入口・窓の位置のほか、カウンター・テーブル・イス・ソファなどの客席設備、調理場の設備(シンク・冷蔵庫・コンロ等)、トイレ、バックヤードなどをすべて記載します。高さ100cmを超える設備は「見通しを妨げる設備」として客室内での設置が制限される場合があるため、特に注意が必要です。

求積図は面積の計算過程を示す図面です。深夜酒類の届出では2種類の求積図を作成します。

「営業所求積図」は、営業所全体の面積を算出するもので、壁芯(壁の厚みの中心線)で測量します。壁芯の寸法は建築図面や不動産の図面を参考に作成するのが一般的です。「客室等求積図」は、客室・調理場・その他(トイレ、通路など)の面積をそれぞれ算出するもので、内法(壁の内側の面)で測量します。

求積の計算は、区画を三角形や四角形、台形などの基本図形に分割して行います。小数点第4位まで計算し、最終表記は小数点第2位で記載するのが一般的なルールです。計算結果は求積表としてまとめ、図面に添付します。

なお、客室が2室以上ある場合は、各客室の面積がそれぞれ9.5㎡以上でなければなりません。客室が1室のみの場合はこの面積制限は適用されませんが、VIPルームや個室を設ける場合は特に注意してください。

深夜酒類の届出図面は、測量の精度と風営法の知識の両方が求められる専門性の高い作業です。不慣れな方が作成すると、測量ミスや記載漏れによる修正で何度も警察署に足を運ぶことになりかねません。

風営法に精通した行政書士に依頼すれば、現地測量から図面作成、警察署への届出代行までを一括で任せることができます。開業準備に集中したい方は、専門家への相談をご検討ください。深夜酒類の届出を行政書士に依頼する場合の詳細も参考になります。

深夜酒類の届出で必要な図面は全部で何枚ですか?

一般的には、営業所周辺の略図、入居フロア平面図、営業所平面図、営業所求積図、客室等求積図、照明・音響設備図などが必要です。管轄の警察署によっては、防音設備図や設備詳細図の追加提出を求められる場合もあります。愛知県では、まず管轄警察署の生活安全課に事前相談を行い、必要な図面の種類を確認してから作成に着手するのが確実です。

深夜酒類の届出の平面図は手書きでも受理されますか?

はい、手書きの平面図でも警察署で受理されます。ただし、求積図の計算精度や設備の寸法記載など、風営法の基準を満たす正確さが求められるため、実務上はCADソフトでの作成が推奨されます。手書きの場合、修正が入ると一から書き直す必要があるうえ、複雑な求積計算の整合性を保つのが難しくなります。

深夜酒類提供飲食店営業(深酒)の多くの図面を作成する必要があります。客室面積の基準や照度基準など、風営法の構造要件を踏まえた正確な図面を用意しましょう。名古屋市の錦・栄・名駅・金山エリアをはじめ、愛知県内でバーや居酒屋の深夜営業を予定されている方は、不備なくスムーズに届出を完了させるため、風営法に詳しい行政書士への相談もぜひご検討ください。